小笠原諸島西方沖地震と緊急地震速報
公開日: 2015年6月1日月曜日
5月30日の夜に小笠原諸島西方沖を震源として起きた地震は、震源に近い東京都小笠原村の母島に加え、遠く離れた神奈川県二宮町でも震度5強を観測、そして日本全国で揺れを感じた珍しい地震でした。
全47都道府県で震度1以上の揺れを記録し、震源から1000キロ以上離れた仙台や福岡などでも比較的強い揺れを感じたそうです。
今回の地震は、震源の深さが当初590キロメートルと発表されたのですが、翌31日には分析の結果682キロメートルに修正されました。震源が非常に深く、震源から離れた場所でも揺れが大きくなる「異常震域」と呼ばれる現象が起きたと気象庁は発表しています。
一般に深さ100キロメートルよりも深いところで発生する地震のことを「深発地震」といい、普通の地震とは起きる仕組みが異なるそうです。
東日本大震災以降、地震への警戒やそれに対応すべく様々な取り組みがされており、気象庁が発表する「緊急地震速報」もそのひとつです。
強い揺れが発生する前に、テレビ・ラジオ・スマートフォンなどで告知されるのですが、突然鳴り響く音に驚いた経験がある方も多いと思います。
強い地震のときには「緊急地震速報」が流れるのが当然、と思っている方も少なくはないでしょう。しかし、必ずしもそうではないようです。
気象庁は5月30日の地震において、震源が非常に深く、正確な震度の予測が難しかったとして緊急地震速報を出さなかったそうです。
震源が150キロより深い地震では正確な震度の予測が困難なため、現時点のシステムでは警報が出せないようなのです。
何が起こるかわからない時代、不測の事態に対処できる心構えをしっかり持たなくてはならないと感じます。
地震予想暦