余震の過信
公開日: 2016年8月23日火曜日
熊本は地震後4カ月を過ぎ、震度1以上の地震が2千回を超えた。
地震の犠牲者は80人になった。直接死は50人、関連死が25人、大雨による二次災害死の5人。
いまだ千人の人々が避難先での暮らしを余儀なくされている。
熊本地震の教訓の一つに「余震」という言葉がある。
4月の地震で「本震」と「余震」の判定があいまいなため、犠牲者を増やすことになったと言っても過言ではない。
なぜなら、4月14日の地震(前震)後に避難した人の中には、「今後の余震に注意」という注意報も然ることながら、「余震」という概念で大きな地震が再度起きるとは誰も思わなかった。
ほとんどの人が「もう終わった終わった」と自宅に戻った。そして、無防備の状態のところへ震度7の地震が再び襲ってきたのである。
いったん避難所などへ避難したのに、注意を促すはずの「余震」という言葉が、図らずも多数の犠牲者を生み出すことになった。
気象庁は、本震の発生後から一日後に「余震確率」という余震の発生確率を公表しているが、熊本地震で本震と余震の判定ができなくなったため、今後は「余震」という言葉を使わず「同程度か、より規模の大きな地震発生もあり得る」などの表現で注意を呼びかけるとしている。
北海道に台風が立て続けに三つも襲来するとは、道民の誰もが想像すらしなかったことだろう。自然は日々変化していく。
前例はあくまでも過去の出来事、天災は何時でも何処でも予告なしに襲ってくる。今日、今、地震が起きても不思議ではない。
これまで全く地震に縁がない所ですら、突然の地震が起こり得る。
熊本地震の教訓、地震は一度で終わるとは限らない。
「余震」という地震はなく、揺れたら「地震」。
いつ地震が襲ってきてもいいように、常日頃「心の準備」と「安全確保」について備えておかなければならない。
地震予想暦