地震を鎮める要石
公開日: 2015年3月1日日曜日
世界中には、地震にまつわる神話や伝説が多く残っています。日本でも地中にいる大鯰(おおなまず)が騒ぐと地震が起きるという伝説ありますが、現代においてこれを信じる人はもはやいないと思います。
大昔の日本では、原因がわからないとされた現象はたくさんありました。特に天候の変化や地震については、「龍」が引き起こしたものと思われていたようです。これは中国から渡ってきた考え方で、日本列島の下に横たわる、あるいは日本列島を取り囲む龍が地震の原因だと言われていました。大鯰が主流になったのは江戸時代頃からで、要石(かなめいし)の伝説も生まれました。
要石とは地震を鎮めたとされる石で、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮と千葉県香取市の香取神宮に祭られていることが知られています。地上に見えている部分はほんの十数センチですが、地中深くまで伸び、地中で暴れて地震を起こす大鯰あるいは龍を押さえていると伝えられています。鹿島神宮の要石は大鯰の頭、香取神宮の要石は尾を押さえており、二つの要石は地中で繋がっているともいわれています。
水戸藩2代藩主であった徳川光圀は、要石の周りを掘らせたが、日が沈んで中断すると、朝までの間に埋まってしまい、そのようなことが2日続いた。その後昼夜を通して7日7晩掘り続けたが底には達しなかった。という逸話も残っています。
今でこそ地震は、地殻断層が突然ずれて移動する事によって起こることが解明されてきましたが、先人たちは原因のわからない大地の揺れに計り知れない恐怖を感じていたのではないでしょうか。
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